21 Jun 08
 疲れた果てはのたれ死だ。いよいよ墓場か、この身は蛆虫どもにくれてやる。ああ、思ってもやりきれない。悪魔め、貴様も道化者だ、いろいろな妖力で、この俺が蕩かしたいとは。よし、おれは要求する、戟叉の一撃、火の雫、いいとも、結構だ。
 ああ、また、生活へ攀じて行くのか、俺達の醜さに眼を据えるのか。この毒、この口づけ、重ね重ねも呪わしい。この身の弱さと、この世の辛さ。ああ神様、お情けだ、この身を匿い給え、俺にはどうにも扱えない。——俺は隠されている、しかも隠されていない。  
 火は亡者を捲いて立ち直る。
— ランボオ「地獄の夜」